応募数だけ見ていませんか?採用で見るべき「歩留まり」の考え方
「応募はあるのに、なかなか採用できない」。
そんなとき、まず応募数を増やそうと考えがちです。
しかし実際には、
応募後の辞退や面接辞退、内定辞退など、
選考途中の離脱が原因かもしれません。
採用を改善するには、応募数だけでなく
「どこで人が離れているか」を見ることが大切です。
「応募はあるのに採用できない」はなぜ起きる?
採用活動では、応募が来た時点で
安心してしまうことがあります。
たしかに、応募数は重要な指標です。
ただ、応募10件がそのまま
10人の面接につながるわけではありません。
たとえば、
応募10件
↓
面接6件
↓
内定3件
↓
承諾1件
というケースなら、応募数だけを見ると
「10件集まった」となります。
しかし、採用できたのは1人です。
ここで大切なのは、
「何人応募したか」だけではなく、
「どの段階で離脱したか」
を見ることです。
採用活動は、実は一本の流れになっています。
採用は「応募→面接→内定→承諾」の連続
採用活動をシンプルに分けると、次のようになります。
応募
↓
面接設定
↓
面接実施
↓
内定
↓
内定承諾
↓
入社
それぞれの段階で、
応募者が離脱する可能性があります。
たとえば、
- 応募後、面接前に辞退する
- 面接日程を決めた後に辞退する
- 面接を受けた後に辞退する
- 内定が出た後に辞退する
などです。
こうした離脱を一括りにして、
「応募者の質が悪い」
「最近は採用が難しい」
と考えてしまうと、
どこを改善すべきなのか見えにくくなります。
まず見るべきは「どこで減っているか」
採用の歩留まりを確認するときは、
応募 → 面接
だけでなく、
面接 → 内定
内定 → 承諾
まで確認します。
たとえば、次のようなケースです。
| 採用ステップ | 人数 | 歩留まり |
|---|---|---|
| 応募 | 100人 | ― |
| 面接 | 60人 | 60% |
| 内定 | 20人 | 33% |
| 承諾 | 10人 | 50% |
人数だけを見ると、
応募 → 面接:40人減
面接 → 内定:40人減
内定 → 承諾:10人減
となります。
しかし、歩留まりで見ると、
応募 → 面接:60%
面接 → 内定:33%
内定 → 承諾:50%
です。
このケースでは、
「面接から内定」の歩留まりが最も低いことが分かります。
つまり、応募数を増やす前に、
「面接後、なぜ内定につながっていないのか?」
を確認したほうがよい可能性があります。
一方で、次のようなケースではどうでしょうか。
| 採用ステップ | 人数 | 歩留まり |
|---|---|---|
| 応募 | 100人 | ― |
| 面接 | 90人 | 90% |
| 内定 | 50人 | 56% |
| 承諾 | 10人 | 20% |
この場合、
応募 → 面接:90%
面接 → 内定:56%
内定 → 承諾:20%
となっています。
このケースでは、
内定から承諾までの歩留まりが低いことが分かります。
つまり、
「応募者を集める」
「面接まで進める」
ことよりも、
「内定を出した人に、入社を決めてもらう」
ことが課題になっている可能性があります。
同じ「10人を採用した」という結果でも、
その前段階にある課題はまったく違います。
だからこそ採用活動では、
「応募が何件あったか」だけでなく、
「どの段階で歩留まりが下がっているか」
を見ることが大切です。
そして、その数字を見つけたら、
「なぜ、その段階で離脱しているのか」
まで掘り下げる。
- ここまで確認して初めて、
求人内容を変えるのか、
選考スピードを変えるのか、
面接の進め方を変えるのか、
内定後のフォローを変えるのかが見えてきます。
データから見る「辞退」の実態
採用活動で辞退が起こること自体は、珍しいことではありません。
リクルートの「就職白書2024」では、
2024年卒採用について、
採用予定数を充足できた企業は36.1%でした。
また、採用数が計画より少なかった理由として、
-
1位
「選考応募者が予定より少なかった」66.2%
-
2位
「内定辞退が予定より多かった」43.4%
-
3位
「選考辞退が予定より多かった」27.2%
が挙げられています。
つまり、採用計画を下回る原因は、
「そもそも応募が少ない」
だけではありません。
応募後の選考や内定の段階でも、
採用人数は減っていきます。
中途採用では「面接前の辞退」も見逃せない
中途採用でも、応募後の離脱は重要なテーマです。
マイナビの「中途採用実態調査2025年版」では、
面接前辞退が多い場合に、効果を感じた対策として 、
「応募後の返信を早くした」33.6%
が最も多く挙げられました。
続いて、
- 選考期間を短くした:31.2%
- メール・電話等の対応を丁寧にした:30.7%
- 面接日程は応募者の希望を優先した:30.3%
となっています。
※クリックで拡大
ここから分かるのは、
応募者を集めた後の対応も、
採用成果に関係する
ということです。
求人広告を改善して応募を増やしても、
応募後の連絡が遅い。
面接までの日数が長い。
日程調整の負担が大きい。
こうした状態なら、途中で離脱する可能性があります。
「辞退率」は数字だけで判断しない
ここで注意したいのが、
辞退率が高い=悪い採用
とは限らないことです。
重要なのは、
「なぜ辞退したのか」
まで確認することです。
たとえば、内定辞退が多い場合。
考えられる理由は一つではありません。
ケース1:他社の条件が良かった
給与や休日、勤務地などを比較し、
他社を選んだ可能性があります。
この場合は、求人条件や待遇面の見直しが必要です。
ケース2:仕事内容の理解が変わった
面接で詳しい仕事内容を知り、
「思っていた仕事と違った」
と感じた可能性もあります。
この場合は、求人原稿だけでなく、
面接時の説明にも改善余地があります。
ケース3:企業への理解が足りなかった
仕事内容は理解していても、
「この会社で働くイメージ」が持てなければ、
入社を決めにくいことがあります。
内定後のフォローが必要になるケースです。
辞退を減らすには「原因別」に考える
辞退を一括りにせず、
どの段階で、なぜ辞退したのか
を整理してみましょう。
✅応募後に辞退が多い
→ 初回連絡や日程調整を見直す
✅面接前に辞退が多い
→ 選考スピードや応募者負担を見直す
✅面接後に辞退が多い
→ 面接時の仕事内容・条件説明を見直す
✅内定後に辞退が多い
→ 企業理解や入社後のイメージを確認する
このように整理すると、
「応募をもっと増やそう」
だけではない改善策が見えてきます。
採用担当者がまず確認したい5つの数字
いきなり大掛かりな分析をする必要はありません。
まずは直近3~6カ月程度の採用実績から、
次の数字を確認してみましょう。
この5つを並べるだけでも、
採用活動のボトルネックが見えてきます。
まとめ|「応募が少ない」だけが採用課題ではない
採用がうまくいかないとき、
まず「応募を増やす」ことを考えがちです。
もちろん、母集団形成は重要です。
ただし、応募数だけでは採用活動の全体像は見えません。
応募
→ 面接
→ 内定
→ 承諾
のどこで人が離れているのか。
そして、
なぜ離れているのか。
ここまで確認することで、
求人を変えるべきなのか。
応募者対応を変えるべきなのか。
面接の進め方を変えるべきなのか。
内定後のフォローを変えるべきなのか。
判断しやすくなります。
採用活動を改善するときは、
「応募数を増やす」
という一つの数字だけではなく、
採用までの流れ全体を見る。
まずは、ここから始めてみてはいかがでしょうか。
▼応募者対応の負担を減らしたいなら
下記のページも合わせてご確認ください。
まずは、採用状況を
一緒に整理してみませんか?
「応募はあるのに、なかなか採用できない」
「内定を出しても、承諾につながらない」
そんな状況になっていませんか?
求人センターでは、
採用データを一緒に整理しながら、
課題に合わせた改善策をご提案しています。
「どこから見直せばいいか分からない」
という段階からでも構いません。
まずは、一緒に整理してみましょう!