法改正により、
いよいよ23年の4月より
給与を労働者に対していわゆる
「電子マネー」で
支払う事が解禁となります。
これまでは
賃金は通貨払いが原則
(労働基準法第24条)
ただし、
労働者が同意した場合の例外として、
①銀行口座と
②証券総合口座への
賃金支払が認められていました
(労働基準法施行規則第7条の2)
今回、賃金支払に関する
労使の新たな選択肢として
③「資金移動業者の口座」(電子マネー)への
賃金支払を認められることになりました。
※厚生労働省経緯参照
この改正により、
・どんなメリットがあるの?
・運用ルールは?
などを簡単にまとめさせて頂きます。
給与の電子マネー支払いで、どんなメリットがあるの?
給与の電子マネ―支払いに対応するのは
「手間だな~」と思われるかもしれません。
どんなメリットがあるのでしょうか…?
❶銀行の振込手数料削減
日々、給与の銀行支払いに関して
振込手数料がかかっている中
電子マネーサービスでは
同一資金移動業者内での振り込みが
手数料無料や銀行より安い手数料
で済む事が予想されています。
このコスト削減が期待できます。
❷外国人材の受け入れがしやすくなる。
日本の少子化・人口減少に伴い、
外国人労働者の受け入れは
更に増える予想です。
しかし、一般口座の開設は
「仕事や留学で
日本に6か月以上滞在していること」
を前提としており
在留期間が6か月未満の場合
“非居住者”となってしまう為、
「非居住者円預金」口座になります。
この「非居住者円預金」は
外国に送金できない為、
自国に暮らす家族に仕送りが出来ない口座
になってしまいます。
この課題に対して、
電子マネー支払いが進む事で、
海外に住む外国人労働者の家族への送金も
銀行口座を介さず行える事になります。
➌日払い支給の簡易化
日払いを希望される労働者の方に関しても、
精算面などでの利便性が上がると言えます。
どの電子マネーサービスでも
給与支払いで利用できる?
前提として、給与の支払いに
利用可能な電子マネーサービスについて。
現在、多数の電子マネーサービスがあり、
「どこのサービスなら使えるの?」
と思わるかもしれませんが
こちら4月1日から、
資金移動業者(電子マネーサービス事業者)が
厚生労働大臣に指定申請を行い、
そこから厚生労働省で審査を行い
基準を満たす業者が「指定」され
給与払い利用できるようになる形です。
厚生労働省の発表では
この審査には、
数か月かかることが見込まれます。
との事で、
4月の頭から即時対応が必要という訳ではない様子です。
補足ですが
「現金化できないポイントや仮想通貨での賃金支払は認められません。」
と明記されておりますので電子マネーの定義にご注意下さい。
従業員の希望に沿って対応する必要がある。
「給与支払いを電子マネー払いにしたい」
と企業側が考えても、
労働者側の同意が必須となります。
厚生労働省の発表では
~~~~~ ※以下 厚生労働省発表参照 ~~~~~
賃金のデジタル払いは、
賃金の支払・受取の選択肢の1つです。
労働者が希望しない場合は
賃金のデジタル払いを選択する必要はなく、
これまでどおり銀行口座等で
賃金を受け取ることができます。
また、
使用者は希望しない労働者に
強制してはいけません。
賃金の一部を資金移動業者口座で受け取り、
残りを銀行口座等で受け取ることも可能です。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
とされております。
厚生労働省が発表してる同意書のサンプルは
以下より参照頂けます。
そもそも電子マネー支払いを希望する人っているの?
※引用:一般社団法人日本資金決済業協会 資金移動業者が行う送金サービスに関する調査
一般社団法人日本資金決済業協会様の調査によると
電子マネー利用経験者の内、
18歳~29歳の若年層の
3割近くは利用意向がありました。
ここから実際に電子マネー支払い
希望者が今後増えてくる予想ですので、
徐々に対策も必要ではないでしょうか。
また今後も人事・採用にお役立ち情報を随時発信出来ればと思います。
求人募集や、ご掲載を検討頂いてる方は以下より頂ければと思います。